成人T細胞白血病について
成人T細胞白血病・・・・おそらく耳慣れない方が多いのではと思いますが、
この病気も、性行為で感染します。
ここでは、成人T細胞白血病についてwiki(ウィキペディア)から
引用して来ました。
性行為で感染する性病(性感染症)は、本当に知れば知るほど
怖いものですね。
相手は十分選ばないといけないな、と心底思います。
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成人T細胞白血病
成人T細胞白血病(Adult T-cell leukemia; ATL)または成人T細胞白血病/リンパ腫(Adult T-cell leukemia/lymphoma; ATLL)とは1976年に高月清らによって発見、命名された疾患である。レトロウイルス、腫瘍ウイルスであるHTLV-1(ヒトT細胞好性ウイルスI型)の感染により発症する腫瘍性疾患である。独自の形態をもつ異型リンパ球(CD4陽性リンパ球)の単クローン性腫瘍である。
歴史
1970年代の日本の白血病、リンパ腫の論文ではいくつかの興味深い症例報告をみることができる。西南日本に予後不良の悪性リンパ腫が多いこと、家族内発症が悪性リンパ腫にみられること、ホジキン病が南九州に多いこと、セザリー症候群や皮膚T細胞リンパ腫が九州に多いこと、リンパ腫から白血化し、急激に死にいたる症例が認められること、末梢血に核が分葉した奇妙な白血病細胞が認められることなどがあげられる。
これらの多くは2008年現在の診断能力ではATLと診断されておかしくないものばかりである。このようにATLは古くから存在していた。腫瘍ウイルスが原因とわかったのは1980年代である。
疫学
日本では、西日本、特に、九州にHTLV-1感染者が多く、世界的には、カリブ海沿岸諸国、中央アフリカ、南米などで頻度が多い。HTLV-1は母乳により垂直感染を起こすことが知られており、乳幼児の感染者が40-60年の潜伏期を経て成人T細胞白血病を発症する。HTLV-1キャリアは日本全国で100万-200万人いるといわれている。毎年600-700人程度キャリアがATL(病型は問わない)を発症している。キャリアの生涯を通しての発症危険率は2-6%である。
本疾患は多くの病型が知られているが、急性化すると極めて予後不良である。急性型と診断された患者の生存期間中央値は1年未満である。
HTLV-1の感染はHTLV-1感染リンパ球がリンパ球に直接接触したときに感染が成立するといわれており、このような経路としては輸血、性交、母乳があげられる。性交に関しては精液に含まれるリンパ球を通じて男性から女性への感染が基本である。母乳感染がほとんどであり、人工栄養に切り替えると母子間感染率が20%から3%に低下するため、本疾患の撲滅には母乳遮断が有効であると考えられている。なお、個体内でのHTLV-1増殖の場は主にリンパ節であると考えられている。リンパ節で増殖したATL細胞が血液中に流出し(白血化)、特徴的な細胞が末梢血で見られるようになる。
HTLV-1の発癌機構
母乳中のHTLV-1感染リンパ球が乳児の消化管内で乳児のリンパ球に接触することでHTLV-1は新たに感染することができる。レトロウイルスであるため、リンパ球DNAに組み込まれ、ウイルスの再生産を行う。HTLV-1のp40 taxは宿主細胞のIL-2レセプター遺伝子などを活性化し、その分裂増殖を引き起こす。こうして無限増殖を繰り返す宿主細胞がその過程でなんらかのエラーをおこし、形質転換をおこし、ATLを発症すると考えられている。
ATLの病型
ATLの臨床経過は多彩であり、以下のような4つの病型と1つの病態が知られている。
* 病型
o 急性型
o リンパ腫型
o 慢性型
o くすぶり型
* 病態
o 急性転化
下山らによって行われたこの分類法は今日でもよくもちいられる。この診断基準は消去法にて定義されている。急性型の病態が最も多彩であり、定義しにくい反面、くすぶり型、慢性型、リンパ腫型はそれぞれの特徴が比較的明確である。基本的には定義しやすい病型でなければ急性型と考えた方が安全である。
予後不良因子としては、年齢、パフォーマンスステータス、総病変数、高カルシウム血症、高LDH血症があげられる。予後不良因子を持たないくすぶり型と慢性型では化学療法がむしろ免疫不全を助長し、感染症合併の要因になるため、原則として経過観察とする。急性型、リンパ腫型では極めて予後不良であるため、ただちに加療する必要がある。CHOP療法が選択されるが、再発、薬剤耐性化が多い。若年発症では造血幹細胞移植も試みられている。
症状
急性型の病歴は非常に多彩である。
HTLV-1関連疾患
ATLL以外にHTLV-1感染によって起こる疾患としてはHAM(HTLV-1 associated myelopathy, HTLV-I関連脊髄症)/TSP(tropical spastic paraparesis, 熱帯性痙性対麻痺)やHAB(HTLV-I associated bronchitis)/HAU(HTLV-I associated uveitis)があげられる。
ATL患者のリンパ球のサザンブロット法で解析をするとモノクローナルにプロウイルスDNAが組み込まれているのに対してこれらの患者ではポリクローナルとなっているためにATL発症の中間状態であると考えられている。
今後の治療
•成人T細胞白血病自体への治療
急性白血病と同様、寛解導入療法後の造血幹細胞移植が検討されている。寛解導入療法としてはCHOP療法やLSG15といった化学療法を用い,造血幹細胞移植は一般的な前処置を用いた同種骨髄移植が考えられている。
一般に急性型、リンパ腫型、予後不良因子を有する慢性型が治療対象となり、一般的にaggressive lymphomaに準じた治療法が選択される。名前のとおりT細胞性でありCD20陰性のため、CHOP療法が選択される。予後不良因子を持たない慢性型やくすぶり型ならば経過観察となる。ATLは初回から薬剤耐性を示すことが少なくなく、標準的な治療法が未だに確立していない。CHOP療法によって1stCR(完全寛解)を得る症例が近年増えているが、再発が多く、再発例は薬剤耐性があるためペントスタチンや造血幹細胞移植、CCR4抗体、CD52抗体、ジドブジン、インターフェロンαといった治療法が現在研究中である。
感染から発症までの期間が非常に長いため、成人で初感染した場合は発症せずに寿命を迎えることがほとんどである
•合併症への治療
•高カルシウム血症
ビスホスホネート製剤、大量補液、利尿剤、カルシトニン製剤が有効
•日和見感染症
抗生剤などを投与する
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(以上、ウィキペディアから引用致しました)