個人カウンセリング・カップルカウンセリング・家族療法
ここでは、カップルでカウンセリングを受けてみたいのだけれど、
それがなかなか出来ない、そんな場合にどのように考えるのか?
ということについて、書いてみようと思います。
今回も、ソレア心理カウンセリングセンターの高間さんに
お話を伺いました。
カップルカウンセリングを受けたくても、なかなか
夫の同意が得られない場合もありますよね。
日本の男性は、特にそのような傾向にあると思います。
風俗に行っていて、後ろめたければなおさらでしょう。
ですが、そんな場合には、まずは1人でのカウンセリングを
はじめてみることをお勧めします。
そのカウンセリングの中で夫が登場してくることもあるし、
登場しないこともあります。
ここで言いたいのは、夫が登場しなくても妻が
カウンセリングを受けていることで、夫に影響を及ぼせる場合がある、
ということです。
この場合は、カップルカウンセリングというよりは、家族療法をやって
いることになります。
ではここで、簡単な架空の家族のケースで考えてみましょう。
仮に、母と息子が友達親子で、夫婦がセックスレスで、
夫が風俗に走っている家庭があったとします。
この場合、母と息子を考えると、
両者の世代境界(親子には親と子というカッコたる境界が存在します)の
弱さと夫の役割の弱さ、ひょっとするとこの家庭には
父性が存在しないのかもしれない。
息子が4歳になったとき、つまり父親が父親として
子どもに必要になったとき、夫は何をしていたのか、などなど、
家族療法の視点になっていきます。
ここで、少し解説させていただきますと、
子どもが4歳になったときに登場する父性の役割とは、
子どもを母子関係という閉塞した関係から社会へ目を向けさせる、ということです。
世界はこんなに広いんだよ、これからお前はこの世界へ冒険に出るんだよ、
と指し示すことです。そこで社会性と冒険心を与えることです。
それが、このころの子どもにとっての父性です。
またこの時期は、母親のナンバーワンは父親なのだということを
子どもは知る時期でもあります。
夜、目が醒めてリビングへやってくると、
母がこれまで見たこともない優しい顔をして父と話をしている。
これを見て子どもは、これまで母親に1番可愛がられていた、
自分は母親にとってナンバーワンだと思っていた、でも、
実は、自分はナンバーツーなのだと悟るのです。
父には敵わないんだ、と自分の分(ぶ)を知るのです。
子どもとしてわきまえるようになる。
ここで両親と子どもとの世代境界の芽が生まれるわけですね。
さて、夫婦のセックスレスの問題については、拒否しているのはどちらで、
かつてセックスの主導権はどのようであったのか、
セックスの最中はお互いがどのような触れ方をしていたのか、
どのような親密な表現をしているのか、など、セックスに焦点を当ながら、
そこから夫婦両方の感情(恐れ)などにフォーカスしていくと
カップルセラピー(カップルカウンセリング)になるのです。
さらには、夫の風俗通いは友達親子という、母子密着に
風穴を開けるための行為だったのか、
それとも夫の依存症なのか。
前者なら母親の問題が大きく、後者なら夫に問題であり、
それぞれの個人カウンセリングになります。
この場合は、母子密着と依存症のどちらが先かということは、
いちがいには言えないので、妻のカウンセリングと
夫のカウンセリングを別々に同時進行させたりします。
実際には、家族という枠でくくると
問題がそれぞれからみあっているため、
家族カウンセリングになったり、カップルカウンセリングになったり、
個人カウンセリングになったりします。
つまり、何か問題があって、それをカウンセリングで
解決しようというときには、無理に相手を説得したりしなくても
大丈夫だ、ということです。
個人カウンセリング・カップルカウンセリング・家族療法は
とても流動的に行われます。
カップルの問題だからカップルで、と思っても出来ない場合には
まずは、1人でカウンセリングを受けても良いのです。
相手が来たくないと言っているとき連れてくるのは逆効果となります。